2025 Bangkok Gems&Jewelry Fairとミャンマーと
2025年2月、第71回 Bangkok Gems & Jewelry Fair に行ってきました。バンコクフェアは、バーゼルフェア、香港ショー、ツーソンショーと並ぶ世界的に有名なジュエリーショーの一つです。ここでは、新種の宝石やこれから流行する宝石をいち早くチェックでき、最新のトレンドを知る上でも重要な場となっています。
そして今回の旅のついでに、今年2度目のミャンマーへ!今回はどんな宝石との出会いがあるのでしょうか?

今回のフライトは早朝の成田発、しかも香港経由。朝がめっぽう弱い私にとって、早朝便はなかなかの試練です。そこで、いつもの作戦として夜は寝ずに空港へ向かい、機内でまとめて眠ることにしました。

香港で2時間30分のトランジット。正直なところ、何度も利用しているはずなのに、極度の方向音痴のせいで毎回迷ってしまいます。

無事バンコクのスワンナプーム空港に着きました。スワンナプーム空港は年々大きく立派になっています。
さて、ここからホテルで一泊し、明日からいよいよバンコクフェアのスタートです!

会場へ向かいましょう!今回は珍しく、トゥクトゥクでの移動です。
バックパッカーとしてバンコクを訪れていた頃は、移動手段といえばトゥクトゥクが主流で、街中を走り回っていました。しかし今ではタクシーの方が圧倒的に多くなり、トゥクトゥクを見かける機会はめっきり減りました。本当はタクシーを拾うつもりだったのですが、なぜか今回はトゥクトゥクを捕まえることに。久々のトゥクトゥク移動、懐かしさを感じます。

Bangkok Gems & Jewelry Fairの会場は、Queen Sirikit National Convention Center。今回で第71回目の開催となります。
前回来たのはいつだったか……確かコロナ明けに一度訪れました。以前は正直そこまで人が多い印象はなかったのですが、今回はかなりの賑わいです。世界的に見ても、宝石市場は活気を取り戻しているようですね。

タイに来るたびに感じるのは、タイが宝石業界において非常に先進的な国であるということです。
今回のバンコクフェアも、その存在感は抜群。空港内でも大々的に宣伝されていましたし、会場内には目を引く看板が並んでいます。タイの宝石市場の熱気と規模の大きさを改めて実感しますね。

バンコクフェアで取り扱われている商品の大半は宝石ルースで、一部は製品や機材の販売も行われています。
会場には世界中から宝石商が集結し、各社が立派なブースを構えて商談を繰り広げています。活気あふれる空間で、最新のトレンドや希少な宝石に出会えるのも、このフェアの魅力ですね。

見渡す限り宝石商が並ぶ夢のような空間。
バンコクフェアは、登録さえすれば一般の方も入場可能だったはずです。宝石好きにはたまらない場所です。

展示会で宝石を購入する場合、いくつか注意点があります。
まず、展示会場の照明には要注意。
展示ブースの照明は非常に強く、宝石が実際よりも美しく見えがちです。慣れていないと、どの石も輝いて見えてしまいます。
対策として、必ず自然光で確認をしましょう。店主に断りを入れて会場の外で石を見せてもらうこと。 実はこの方法、プロでも必ず行う確認作業なので、遠慮する必要はありません。

次に価格交渉です。その国の商慣習に影響されますが、最初に提示される金額はアスキングプライスであり、時には10倍以上を要求されることもあります。相手がこちらの相場を知っているかどうかを探ってくるのです。
まずは自分が設定した価格を明確に決めてから交渉に臨むことが大切です。プロであれば、相場を考慮しながら価格の妥協点を見つけますが、それでも石の価格を決めるのは簡単なことではありません。

一番シンプルな方法は、信頼関係を築くことです。海外でも、「お友達プライス」というものが存在します。お互いに良い関係を築くために、頑張って仲良くなることが大切ですね。
今回は美しいグランディディエライトを探していましたが、良いものは価格が大きく上がっていました。お友達がちょうど納得できるクオリティの石を持っていたので、お友達プライスで譲ってもらいました。こちらはリングに仕立てる予定です。

今回のバンコクフェアでは、美しいマダガスカル産のムーンストーンや質の良いティールサファイアが多く出品されていました。最近のトレンドとして注目されている石です。
ただ、宝石は供給が突然途絶えることもありますから、気になる方は早めにチェックしたほうが良さそうです。また、ミャンマー産のスピネルも高騰しており、採掘停止が影響しているのでしょう。

夜は友人と、観光客があまり訪れない完全ローカルなタイ料理店に行きました。お店の雰囲気がとても素敵でした!

別の日に訪れた日本でも有名なタイ料理店も美味しかったですが、やはりローカルの味は観光客向けのものとは少し違いますね。驚くほど辛い!
観光客向けのお店も十分辛いですが、ローカルの店の辛さはそのレベルを超えている感じです!

バンコクフェアを存分に楽しんだので、次はヤンゴンへ移動です。オーバーツーリズム気味のバンコクとは違い、今ヤンゴンには観光客がほとんどいません。
今年1月にも訪れたので、今回は今年二度目の渡緬です!

バンコクは近年、非常に近代的になり、物価もかなり日本に近づいてきました。正直、昔のバンコクを知っていると、少し寂しく感じる部分もあります。街は観光客で溢れ、有名なカフェやショップが至る所に点在しています。
一方、ヤンゴンは、まるで20年以上前のバンコクを思い出させるような景色が広がっていて、どこか懐かしさを感じます。

この雰囲気、ヤンゴンが大好きです!毎回安全だと言っていますが、最近は少しずつ治安の悪化に関する話を耳にするようになりました。それでも、ミャンマーの人々は変わらずシャイで親切、正直です。もちろん、訪れる方は自己責任でお願いします。
最近のミャンマーの悪いニュースはヤンゴンに関するものではなく、ヤンゴンは今も変わらずのんびりとした雰囲気が続いています。

こちらは私の事務所があるボージョーアウンサンマーケットです。
入口は隣接する近代的なデパート「ジャンクションシティ」と渡り廊下でつながっています。

ボージョーアウンサンマーケットは、1926年に英国統治時代に建造された歴史あるヤンゴン最大の商業施設です。周囲は壁で囲まれ、内部には1600以上の店舗が並んでいます。
コロナ以降閉店している店も多く、現在は観光客もほとんど訪れませんが、ヤンゴン観光をしたことがある人にとっては一度は訪れる場所です。月曜日が定休日です。

アウンサンマーケット内は地元の人で賑わっており、特にこのエリアは宝石エリアなので、多くの宝石商が並んでいます。
歩いていると、馴染みの宝石商に声をかけられることがよくあります。

美しいレッドスピネルです。現在、ミャンマー国内での宝石の価格は高騰しており、特にスピネルは本当に高くなりました。モゴック地区での採掘が止まっている影響に加え、世界的にスピネルの需要が増加していることも一因です。
日本でもスピネルが誕生石に昇格したことから、今後もスピネルの価格はさらに上昇する気がします。ミャンマーで宝石を購入する人の多くは、スピネルに熱中している人たちだと思います。

こちらは美しいサファイアです。現在、カシミール産のサファイアが商業採掘されていないため、トップクオリティのサファイアはやはりミャンマー産だと言えます。同様に、ルビーに関しても最高品質のものはミャンマーから産出されます。
ミャンマーの情勢が回復し、自由に動き回れる日が早く訪れることを願っています。今のミャンマーは、少し制限が多い状況です。